医療法人 好輝会 梶本クリニック

当法人の取り組み

バスキュラーアクセス管理

バスキュラーアクセス管理

バスキュラーアクセス(以下VA)とは、透析のために血液を体外へ取り出し、そして浄化された血液を体内に戻す仕組みのことで、
自己血管内シャント、人工血管内シャント、動脈表在化、留置型カテーテルなどの種類があります。
VA は透析患者さんの命綱です。VA が使用できないと透析自体ができなくなってしまうことから、
当院ではトラブルを事前に予測し早めに対処するよう常に細心の注意を払って、VA の観察やメンテナンスを行っております。
当院では本院、三国ヶ丘分院に
手術室を有しております。
本院 手術室

本院

三国ヶ丘分院 手術室

三国ヶ丘分院

VA 治療の他、下記の透析合併症関連の手術も実施しております。
手術は日帰りで行うことができ、また術後の管理も当院にて一貫してお受けいただけます。
※診療時間外など当院で対応困難な場合は、提携施設様へご紹介させて頂くことがあります。

当院で行っている手術治療内容
  • 内シャント造設、再建術
  • 人工血管(グラフト)置換術
  • 経皮的血管拡張術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty)
  • 血管造影検査
  • 手根管開放術
  • 腱鞘切開術(ばね指手術治療)
当院手術室実績
手術件数(件) 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
(12月になかもずから三国ヶ丘へ移設)
2023年
なかもず なかもず なかもず 本 院 なかもず 本 院 なかもず 三国ヶ丘 本 院 三国ヶ丘
内シャント造設・再建術 22 19 12 0 11 5 13 0 5 6
人工血管(グラフト)置換術 12 8 3 0 8 0 6 0 3 7
経皮的血管拡張術(PTA) 41 39 61 2 62 16 39 7 19 67
血管造影検査 0 4 0 6 11 9 3 0 11 17
手根管開放術 4 4 1 0 1 1 1 0 1 3
腱鞘切開術(ばね指) 4 4 2 0 2 0 0 0 1 3
その他 12 5 8 0 2 4 6 0 4 6
年間合計数 95 83 87 8 97 35 68 7 44 109
シャント管理責任者

当院では、VA に関する深い知識と多様な経験を有している職員を『シャント管理責任者』に任命し、以下の業務を担っています。

  • ① VA 管理のトータルコーディネート
  • ② 患者さんのシャント状況などの情報収集に努める
  • ③ 手術担当医への報告、連絡
  • ④ シャントモニタリングスケジュールの監督
  • ⑤ VA 関連の教育、勉強会
  • ⑥ VA ミーティングの定期開催
当院における
バスキュラーアクセス(VA)管理体制
バスキュラーアクセス管理体制
日常のVA 管理においては、シャント管理責任者を中心にVA エコー部門、日常管理部門、手術担当部門にて構成されたVA管理に特化した専門チームを設置しています。
VA エコー検査

超音波診断装置を用いることで、シャント肢の血管内の状態(走行や深さなど)をより詳細に把握することができます。

形態評価
  • 血管径
  • 血管壁の肥厚
  • 狭窄の有無と程度
  • 瘤の有無
  • 血管内腔の状態
  • 穿刺部の血管壁の状態
  • 血管の石灰化
  • 血液乱流の部位
  • 人工血管壁の状態
  • 深部静脈への流入部の狭窄確認
  • 非血栓性閉塞の状態
  • シャント肢の動脈、静脈の全体の把握
機能評価
  • シャント血流量(F.V.:Flow Volume)
  • 血管抵抗係数(R.I.:Resistance Index)シャント血流の抵抗値
  • 拍動係数(P.I.:Pulsatility Index)シャントの流れにくさ
VAエコー検査
シャントに狭窄が生じ、血流が減少すると閉塞してしまうリスクが高くなりますが、逆に過血流シャントと言って血流量が多すぎるのも問題で、心臓への負担が増大し心不全となったり、腕の腫脹が現れたりします。そのため、超音波診断装置を用いた形態評価と機能評価、その他臨床所見とを合わせた総合的な視点をもとに正確な評価を行わなければなりません。
シャントは透析患者さんにとって命綱と言われており、シャントの状態を良好に保つことが「元気で長生き」につながります。
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