医療法人 好輝会 梶本クリニック

透析治療

フットケア

フットケア

近年、高齢者や糖尿病患者の増加などを背景に、末梢動脈疾患や末梢神経障害、感染症など透析患者さんの足病変の合併が多くなっております。透析患者さんは様々なハイリスク要因を抱えており、靴擦れや爪切で生じた小さな傷や魚の目、胼胝(タコ)といった、健常人であれば何でもない病変でも驚くほど急激に重症化し、時には下肢切断に至ってしまうこともあります。
こういった最悪の事態を避けるため、当院ではフットケアチームを作り医師・スタッフによる下肢診察および下肢に血行障害を来たす閉塞性動脈硬化症(ASO)の指標である下肢・上腕血圧比(ABI)や脈波伝播速度(PWV)の測定を、すべての透析患者さんに定期的に実施しています。
本院、中百舌鳥分院では皮膚科専門医が積極的にフットケアや痒みなどの皮膚疾患の診療に当たっています。
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透析患者さんのフットケアに関するリスク
  • 免疫力の低下
  • 足の感覚が鈍い
  • 止血機能の低下
  • 自分で判断する力の低下
  • 足への血流が悪い
  • 皮膚が薄く傷つきやすい、傷が治りにくい
  • 握力や視力の低下
  • 関節の動きや筋力の低下
透析患者さんに起こりやすい足の変化
  • ① 膝下よりも末梢側の足趾先端にかけて病変が起こりやすい
  • ② リンのコントロール不良に伴い、動脈の中膜に骨化・石灰化が強く起こり、それによって血流不良や血圧不安定を招きやすい
  • ③ 血管病変は全身に起こるため、冠動脈や脳血管疾患を合併する比率が高い
  • ④ 栄養不良(アルブミン値が低下、電解質の値が不安定)に陥りやすく、その結果、皮膚が脆弱で創傷が治りにくい
  • ⑤ 長期透析や糖尿病の合併などにより筋委縮が起こりやすく、下肢筋力の低下や関節可動域の縮小がみられる
  • ⑥ 足に関心が薄かったり病識が乏しかったりするため、足病変の進行に気づかず、重症化することが少なくない
自己ケアのPoint
  • 禁煙
  • 低温熱傷に注意する(こたつは使用しない)
  • 胼胝(タコ)や鶏眼を自己処置しない
  • 足型にあった靴を履く
  • 皮膚が乾燥している場合は保湿クリームを使用する
  • 毎日、足を洗い、くまなく観察する
  • 素足で歩かない
  • 靴を履く前に中に異物が混入していないかチェックする
  • 爪は一直線か緩やかなカーブ状に切り、深く切り込まない
  • 足にキズができたらただちに受診する
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